【閉店】
〈UNISON TAILOR〉
東京 吉祥寺

今回の「カフェワンダークロニクル」は吉祥寺にあるコーヒーショップ「UNISON TAILOR」をピックアップします。
インディペンデント系のコーヒーショップとしては珍しい、ショップインショップ形態で注目のお店です。

女性店長の竹内さんにお話をお伺いしました。

Q.UNISON TAILORはいつオープンしましたか。

2017年3月30日にコピス吉祥寺リニューアルと同時にオープンしました。

Q.吉祥寺という場所を選ばれた理由を教えてください。

東京23区から外れますが、感度が高い人達が集まる場所なので、チェーン店ではないコーヒーショップが受け入れられやすいのではないかと思い出店しました。

Q.商業施設内にインディペンデント系のコーヒーショップが入っていることは珍しいと思いますが、吉祥寺という場所に関係があるのでしょうか。

はい、吉祥寺では最初路面で出店できる場所を探していたのですが、コピス吉祥寺がリニューアルする際に、エッジがきいたライフスタイルを提案できるようなフロアを作りたい、ということでお声がけいただきました。

HMVレコードショップや、サンフランシスコ発で日本初出店のTIMBUK2というメッセンジャーバッグブランドショップと同じフロアに、チェーン店ではないコーヒーショップを出したいというお話に興味を持ったので、あえて路面店ではなく施設内店舗にしました。
レコードファンもメッセンジャーバッグ愛好家もコーヒーが好きな人が多いので、客層も比較的近いと考えました。

Q.お店の構造も面白いので、特徴やこだわりも教えてください。

HMVレコードショップに併設するということで、買ったレコードをすぐ聴ける場所があったら喜んでもらえるのではないかと考えました。
IONのレコードプレーヤーとAudio Techinicaのヘッドホンを5セットお店に設置して、サンプル視聴用のレコードも10枚ほど用意して、気軽に使えるようにしたことで、かなりご好評頂いております。

内装は、いわゆるサードウェーブ系コーヒーショップによくある白基調で、木のカウンターでシンプル&ミニマムな感じにすべてまとめる、というものとは真逆にしたかっので、白はほぼ使わず、素材も質感重視で金色のフットスタンド等を入れてアクセント付けています。
UNISON TAILORはコーヒー&ビアスタンドなので、アルコールが出るような雰囲気も大切にしたいと思いました。

Q.取り扱っているコーヒーの特徴について教えてください。(仕入れているロースターのことや、豆の選び方、など)

現在取り扱っているロースターは3ロースターあり、

1)Glitch Coffee&Roasters from 神保町
2)Single O Japan from 両国
3)RITUAL COFFEE from San Francisco

の3ロースターからコーヒー豆をお願いしています。

上記のロースターさんはどれもコーヒー豆の産地個性を大切にされているという事の他に、コーヒーを精製する過程、国の情勢などにも注目し、コーヒー豆を選定し、焙煎されています。

コーヒー豆の美味しさはもちろんながら、ロースターさんのそういう思いに共感し、お取り扱いさせて頂けるようお願いしました。

その中で取り扱いの豆の決め方ですが、基本的にはその時のロースターさんのオススメを納品してもらっています。
しかし、その時の当店のコーヒー豆のラインナップなどを考えて、こちらから豆の指定をしてお願いすることもあります。

エスプレッソの豆はブラック用とミルク用を使い分けています。
どちらもGlitch Coffeeさんでお願いしていますが、ミルク用に関してはオリジナルブレンドを作って頂きました。

Q.コーヒーショップ(もしくはバリスタ)として特に心がけていることを教えてください。

コーヒーを美味しく淹れるという事は大前提として、その他に私自身が大切にしスタッフと共有している事は、ロースターさんの思いをお客様に伝えるという事です。
ロースターがどのような思いで焙煎し、それを通してどのようにお客様に伝えようとしているのか。

その思いを直接伝えることができる職業だと思っています。

その為にオープン前は各ロースターさん(RITUALはこちらでレシピ作成)からトレーニングをして頂き、細かくテイストチェックやコーヒー豆に関しての情報共有などをして頂きました。現在も定期的にテイストチェックに来て頂いています。

コーヒー以外の事でいうと、お客様をよく知るという事を大切にしています。

ご来店された方がこのお店に何を求めて来てくださったのかを感じ取る事です。

・美味しいコーヒーを飲みに来られたのか?
・お食事をしに来られたのか?
・たまたま見つけて来店されたのか?
・スタッフとお話に来てくださったのか?
・コーヒーについて何か知りたいことがあるのか?

お客様がコーヒースタンドに求めるものは様々です。
当店のように商業施設に入っているショップなら尚のこと、様々なお客様がご来店くださいます。
それを会話の中で出来るかぎり察知し、その方の求めているモノをご提供できるように勤めています。

コーヒーやクラフトビールの素晴らしさを伝えたいのが一番ですが、まずはUNISON TAILORを好きになって頂く事。
居心地が良い空間をご提供出来る事が出来れば、美味しいコーヒーがさらに美味しく感じて頂けると思っています。
UNISON TAILOR で出会ったお客様同士が仲良くなって、新しい出会いをご提供できる場になればとても良いですね。

Q.現在のコーヒーブームについてどう思いますか。

単純にとても嬉しいです。
今ではお客様の方がコーヒーに詳しい方もいるぐらいです(笑)
一時は流行りになってしまって、廃れていくのではないかと心配しましたが、最近(特に東京では)美味しいコーヒーのある生活が日常に溶け込んでるように感じます。
もしかしたら、私たち(コーヒー好きな方々)の周りの人達だけかもしれませんが(笑)
ただ、確実に以前よりカフェではなく、コーヒースタンドにコーヒーを飲みに行く、という事が定着しているように思います。
このままどんどん当たり前になると、とても嬉しいです。

Q.この時期のオススメメニューや、今後のオススメを教えてください。

夏のコーヒーショップは閑散期と言われていましたが、最近ではCOLD BREWやシェケラートなどが広まり、夏には夏のコーヒーの飲み方がある事が浸透して来ました。

当店では年中メニューにある、Sparkling Cold Brew がオススメです。
通常のフルーティーな水出しコーヒーに直接炭酸ガスを注入したドリンクで、"シュワシュワ"してるのに甘くない、でも果実のフルーティーさを感じる事ができるドリンクです。少し斬新ですが、コーヒーの新しい楽しみ方としてオススメしています。

シーズナブルドリンクとしては、夏季限定 Espresso Tonic をご用意しています。
メニューイン当初はご説明しても難しい事もありましたが、最近ではお客様の方からオーダー頂けたり、エスプレッソを選んだりして下さるようになり、吉祥寺でもじわじわと人気が出始めています。
オリジナルオーダーされる方は、少しジンを入れて、Espresso ZIN Tonic にされる方もいらっしゃいます。
今の季節にピッタリです!

Q.竹内さん自身のコーヒーの楽しみ方を教えてください。

今は仕事になっていますが、もともとプライベートで休日にコーヒーホッピングをするのが好きで、それが現在も続いています(笑)
ただ、以前と違うのは、美味しいコーヒーを飲みに行くというより、そのコーヒースタンドの空間に行く、そこで働いているバリスタさんやスタッフさん、お客様に会いに行く、という意味合いが強いと思います。
やっぱりコーヒースタンドの雰囲気が大好きなので(笑)

そこで、仕事として吸収できる事はもちろんですが、かなりリフレッシュしています。
コーヒーは私のONでもありOFFでもあるなと最近思います(笑)

Q.サーモマグの感想を教えてください。(オススメの使い方などがあればそちらもぜひ)

保冷、保温性も高く、とても良かったのは蓋についている空気を抜くパッキンです。
個人的にもテイクアウトマグが好きで、色々使っていますが、密封性のあるマグでも温度の高い飲み物や炭酸の入ったものを入れると空有気圧で漏れてしまう事がありました。
サーモマグはそれがなく、カバンに安心して入れておけるのがとても良かったです。
実はビールのテイクアウトにも使ってみました(笑)ずっと冷たくて、オススメです(笑)

〈UNISON TAILOR〉
〒180-0004東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-5
コピス吉祥寺2F
TEL:0422-27-2726

※2019年6月23日(日)閉店

多くのコーヒーショップが存在する中、独自のアプローチでオープンした新進気鋭のショップともいえる「UNISON TAILOR」。

なぜ「商業施設内にチェーン展開をしていないショップが?」という一番の疑問は、竹内さんのお話を伺うことで全て解決しました。

ご自身がコーヒー好きであるからこそ自然発生的に生まれる心遣いは、幅広い層のお客様が集まるこの場所に最適だったのかもしれません。

コーヒーやクラフトビールを通して、もしくはUNISON TAILORという空間を通して、グッドコミュニケーションが生まれる「場」として、これからさらに盛り上がっていきそうです。

 

 

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